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家族信託が失敗するケースやトラブルについて

認知症対策として数年前より注目を集めている家族信託ですが、「契約さえしておけば安心」と思っていないでしょうか。家族信託には、実は思わぬ落とし穴があるのです。ここでは、家族信託でよく起きがちなトラブルや失敗例についてまとめました。

自分で作成した契約書が無効になっている

かかる費用を節約しようと、インターネットで見つけた契約書の雛形を使い、自分で契約書を作る方も増えてきました。しかし、それはおすすめできない行為です。家族信託はとても複雑かつ難解な契約で、弁護士や司法書士でも間違った契約書をつくってしまうケースがあるほど。インターネットに上がっている雛形にも、不備があるものが多数存在しています。
自分で作った契約書の内容が間違っており、法的に無効となってしまったせいで、将来「不動産の信託登記ができない」「預金が凍結してしまった」など大きな失敗をしてしまう可能性があるのです。

公正証書を作成していなかったためにトラブルが起きる

家族信託の契約書は私文書も認められていますが、公正証書を作成しておくことをおすすめします。私文書の場合、認知症の家族が委託者となって契約を締結できてしまうため、その家族が内容を理解して契約を結んだかどうかを証明できず、契約が無効になってしまう恐れがあります。
公正証書ならば、法務大臣に任命された公証人の目を通しているため信頼性に優れており、法的な有効性が担保された契約書になるため安心です。

予想外の税金が発生する

家族信託を契約したことで、予想外の高額な税金が発生してしまうこともあります。
家族信託の契約を結ぶことで、親が持っている財産の受益権を孫へ移すという契約ができるのですが、その場合孫は贈与を受けたことになり贈与税を支払う義務が出てきます。
また、不動産の信託契約をした場合、その家族が亡くなって信託契約を終了させようとすると、その登記をするための登録免許税がかかってしまいます。
このような予想外の税金を発生させないため、家族信託の契約をする前に、家族信託のことをよく知る専門家への相談が大切です。

信託口口座が開設できないケースもある

家族信託で親から預かった金銭は、受託者である子どもが別の口座を作って管理しておく必要があります。
良い例としては「信託口口座」を作り、子どもの持っている資産とはっきり区別して管理することでしょう。ただ、この口座を作ることができる金融機関は非常に少ないです。また、信託口口座作成に対応している金融機関に作成を依頼したとしても、事前審査で落とされることがしばしば。そのため、信託口口座が開設できなかった場合の対処法についても考えておく必要があるでしょう。

家族信託できない財産に注意

家族信託には信託財産とできないものもあります。例えば、金銭的価値に置き換えられない「個人の生命や名誉」「保証債務」などは家族信託の財産とはできません。また、「生活保護受給権」「年金受給権」などは委託者本人から受託者に名義を移すことができないので、これも家族信託の財産にはできないのです。

さらに、「農地」「預金口座」「上場株式」は家族信託の財産とするには手続きが必要で、家族信託の財産にできない場合もあります。「農地」を家族信託の財産とするには農業委員会に届出し、許可を得て農地以外に転用しなくてはなりません。

「預金口座」は勝手に名義変更できないので、預金を家族信託の財産としたい場合は信託契約締結後、口座内の預金を親が受託者である子ども名義の口座に送金手続きする必要があります。「上場株式」は株の取扱証券会社が家族信託に対応していない場合は、対応している証券会社への移管が必要です。

家族仲が不仲になる

家族信託では受託者である子どもは財産管理に関する権限をもつことになります。財産が正しく管理されていたとしても、他の相続人が不公平に感じてしまい、もめ事に発展するケースは少なくありません。

また、家族信託を始めるにあたって、他の兄弟・姉妹に相談せずに受託者となる子どもが一人で勝手に進めてしまい、不信感を与えてしまう場合もあります。家族信託では財産の名義を変更する手続きなどが必要になる場合も多く、財産を独り占めしようとしているなど誤解を受けることもあるので注意が必要です。

「1年ルール」を過ぎてしまった

家族信託には「1年ルール」というものがあり、これに抵触してしまうと、1年で家族信託が終了してしまいます。「1年ルール」には2つあり、

「受託者と受益者が同じ人物で1人だけになった場合」「受託者がいなくなり、新しい受託者が現れなかった場合」このいずれかでは1年で家族信託が終了してしまいます。

これを回避するには受託者を変更したり、受益権を分けたりするなど対策が必要です。また、受託者が亡くなった場合、家族信託を継続する場合は1年以内に新しい受託者を決めなければなりません。委託者と受益者もしくは委託者がいない場合は受益者のみで新しい受託者を選ぶことができます。

抵当権付きの不動産は条件が必要

不動産にローンが残っている場合、無担保ローンでない限りその不動産には抵当権が付いています。このような抵当権付きの不動産を信託財産としたい場合は、抵当権者である金融機関の承諾が必要です。

家族信託では不動産を信託財産とする場合、不動産の信託登記と委託者から受託者への所有権移転登記を行いますが、金融機関に無断で不動産の所有権移転登記をしてしまうと、ローン契約時の金銭消費貸借契約に反することになってしまい、ローンの一括返済を求められることがあるためです。

  橋本
司法書士
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